自分が競馬を見始めたころからしばらくは、
「春の天皇賞は菊花賞馬、あるいは菊花賞未出走馬が勝つ」という法則がありました。
平成元年から振り返ってみると、
平成元年(1989) イナリワン(菊花賞未出走)
平成2年(1990) スーパークリーク(菊花賞馬)
平成3年(1991) メジロマックイーン(菊花賞馬)
平成4年(1992) メジロマックイーン(菊花賞馬)
平成5年(1993) ライスシャワー(菊花賞馬)
平成6年(1994) ビワハヤヒデ(菊花賞馬)
平成7年(1995) ライスシャワー(菊花賞馬)
平成8年(1996) サクラローレル(菊花賞未出走)
平成9年(1997) マヤノトップガン(菊花賞馬)
平成10年(1998) ※メジロブライト(菊花賞3着)
平成11年(1999) ※スペシャルウィーク(菊花賞2着)
平成12年(2000) ※テイエムオペラオー(菊花賞2着)
平成13年(2001) ※テイエムオペラオー(菊花賞2着)
平成14年(2002) マンハッタンカフェ(菊花賞馬)
平成15年(2003) ヒシミラクル(菊花賞馬)
平成16年(2004) イングランディーレ(菊花賞未出走)
平成17年(2005) ※スズカマンボ(菊花賞6着)
平成18年(2006) ディープインパクト(菊花賞馬)
平成19年(2007) ※メイショウサムソン(菊花賞4着)
平成20年(2008) アドマイヤジュピタ(菊花賞未出走)
平成21年(2009) マイネルキッツ(菊花賞未出走)
とまあ、かなりの高確率でこのジンクスは的中していることになります。
ちなみに、イナリワンよりもさらに過去にさかのぼると...
昭和63年(1988) タマモクロス(菊花賞未出走)
昭和62年(1987) ミホシンザン(菊花賞馬)
昭和61年(1986) クシロキング(菊花賞未出走)
昭和60年(1985) シンボリルドルフ(菊花賞馬)
昭和59年(1984) モンテファスト(菊花賞未出走)
昭和58年(1983) アンバーシャダイ(菊花賞未出走)
昭和57年(1982) ※モンテプリンス(菊花賞2着)
と、83年から97年までの15年にもわたるジンクスでもありました。
このジンクスを理論的に分析すると、
「春の天皇賞の3200mを勝てるような馬は、同年代相手で3000mの菊花賞で負けるわけがない」ということになるでしょうか。
未出走組の観点からいえば、「古馬になって完成するタイプでなければ、春の天皇賞は厳しい」ということになるかもしれません。
昭和58年までは秋の天皇賞も3200mでしたが、
58年のキョウエイプロミスから、メジロティターン、ホウヨウボーイ、プリテイキャスト、スリージャイアンツ(すべて菊花賞未出走)と、こちらの方が如実に晩成傾向を認めます。
(※但し昭和55年までは天皇賞馬の天皇賞出走は不可です)
では、このジンクスを打ち破った馬について見ていきましょう。
メジロブライトは菊花賞を3着に敗れたあと、
ステイヤーズS、AJCC、阪神大賞典と3連勝して天皇賞に臨みました。
同期の菊花賞馬マチカネフクキタルは天皇賞に出走せず、
同2着のダイワオーシュウはこのレース6着。
えまた重賞3連勝中にも関わらず、メジロブライトは2番人気であり、
菊花賞5着のシルクジャスティス(前年有馬記念勝ち)に1番人気を譲っていました
スペシャルウィークは菊花賞2着、JC3着のあと、
AJCC、阪神大賞典と連勝して天皇賞へ
同期の菊花賞馬セイウンスカイ、前年勝ち馬メジロブライトを抑えて勝利しました。
また、一昨年の菊花賞馬マチカネフクキタルも出走しています(7着)
テイエムオペラオーは菊花賞2着、ステイヤーズS2着、有馬記念3着のあと、
京都記念、阪神大賞典を連勝して天皇賞へ。
その後はご存じの通り、翌年の春の天皇賞までGI6勝を含む快進撃が始まります。
同期の菊花賞馬ナリタトップロードは3着(H12~14年まで3年連続)
スズカマンボは菊花賞6着、鳴尾記念2着、大阪ハンブルグC3着で天皇賞へ
ただし菊花賞の前走、朝日チャレンジCを古馬相手に勝っています
このときの他の出走馬ですが、
同期の菊花賞馬デルタブルース、2着ホオキパウェーブ、3着オペラシチー、4着コスモバルク、5着ストラタジェムは出走せず、
なんとスズカマンボが(6着なのに)前年菊花賞組では最先着馬でした。
菊花賞馬としては一昨年の勝ち馬でもあるヒシミラクル(16着)と一昨年の菊花賞馬ザッツザプレンティ(10着)がいて、
菊花賞未出走組からはアイポッパー(3着)、トウショウナイト(4着)、マイビーディーヴァ(7着 ※外国馬&牝馬)、マイソールサウンド(8着)、ユキノサンロイヤル(9着)、アドマイヤグルーヴ(11着 ※牝馬)、ブリットレーン(13着)、アクティヴバイオ(17着)、シルクフェイマス(18着)という面々。
まあ、大波乱となる素地はあったように思えます。
ちなみに1番人気はここまで名前の出てきていないリンカーン(6着)でしたw
メイショウサムソンは菊花賞4着からJC6着、有馬記念5着と凡走が続きましたが、
大阪杯で復活ののろしを上げると、続く天皇賞でエリモエクスパイアを鼻差退けます。
(ちなみにその次の年はアドマイヤジュピタに頭差敗れます)
同年の菊花賞組は1着ソングオブウインド、2着ドリームパスポート、3着アドマイヤメインは未出走で、
メイショウサムソンが最先着馬。(というか、菊花賞組はサムソンとネヴァブションだけ)
同レースに出走した菊花賞馬は一昨年のデルタブルースのみで、
前16頭中菊花賞に出走したことあるのは、前述3頭+ファストタテヤマ(8歳 菊花賞2着)だけという、
なんとも昨年のクラシックが反映されない(といっても勝ったのは前年のダービー馬ですが)レースでした。
ちなみにモンテプリンスは菊花賞2着から4歳時未勝利→5歳春に天皇賞制覇という構図。
クラシック皆勤(4着、2着、2着)から5歳でGI初制覇という、まさに「無冠のプリンス」。
このようにクラシックで2度以上連対したことのある馬は、一時的なスランプから這い上がる底力がケタ外れているのか、
テイエムオペラオー(皐月賞1着、ダービー3着、菊花賞2着)→5歳春天皇賞制覇 ※この馬の場合は「復活」ではないですが...
ライスシャワー(皐月賞6着 ダービー2着、菊花賞1着)→6歳春天皇賞制覇
ミホシンザン(皐月賞1着 ダービー未出走 菊花賞1着)→5歳天皇賞制覇
カツラノハイセイコ(皐月賞2着、ダービー1着、菊花賞未出走)→5歳春天皇賞制覇
と、持続した成長力を見せつけることがあるので注意。
ちなみにこれに4歳時天皇賞にまで拡大すると、
上記のメイショウサムソン、スペシャルウイーク、テイエムオペラオー(4歳時)も該当するようになり、
加えて、ディープインパクトやシンボリルドルフは当然のこと、ビワハヤヒデ、テンポイント、タケホープなんかも該当するようになります。
またクラシック3冠すべてで掲示板、とすると
イチフジイサミ(4着、2着、3着)→5歳春天皇賞制覇
メジロブライト(4着、3着、3着)→4歳春天皇賞制覇
というパターンも見えてきますね
だらだらと書き綴ってきましたが、一応結論めいたことも。
春の天皇賞に勝てるタイプ
4歳の場合
1)前年の菊花賞馬 ex.ヒシミラクル、マンハッタンカフェ
2)前年の菊花賞馬が未出走の場合→菊花賞最先着でかつ古馬重賞勝利経験あり ex.スズカマンボ、メイショウサムソン
3)前年の菊花賞で2着または3着でかつ菊花賞以降で重賞連勝経験ある場合ex.テイエムオペラオー、スペシャルウィーク
4)菊花賞未出走の場合→4歳時に古馬重賞2勝以上 ex.タマモクロス、クシロキング
5歳以上の場合
1)菊花賞馬かつ4歳以降にGI勝ちまたは重賞2勝以上 ex.マヤノトップガン、スーパークリーク
2)クラシックレースで2度以上の連対またはすべて掲示板の経験があり、かつ古馬となりGIの連対経験があり、かつ1年内に重賞勝利経験がある ex.モンテプリンス、カツラノハイセイコ
3)菊花賞未出走でかつ3000m以上の古馬重賞の勝利経験がある ex.アドマイヤジュピタ、イングランディーレ
上記いずれにも該当しない馬として、グレード制実施後ではモンテファストやサクラローレル、
そして何より今年のマイネルキッツがいる。
次回はその辺を詳しく見てみたい