2007年07月30日

「空白の1点」解説

[レビュー]

前項で「ドカベン」の空白の1点について述べたので補足をば。
(なにしろ古いマンガですから知らない人多いと思うしw)


1アウト1塁3塁で、

バッターは強振!
かなりいい当たりで右中間を抜けるかと思われましたが、
ライトのファインプレイによってダイビングキャッチをされてしまいます。
(フライアウトで2アウト目)

あわてたのは1塁ランナー。
抜けると思って2塁ベースも回って3塁に向かっていたのに、
ファインプレイでキャッチされてしまったわけですから、
あわてて1塁に戻ってきました。

しかしやはり間に合わず、
ライトからのファーストへと送球され、
あえなく3アウトとなりました。

ちなみにサードランナーはというと。
サードに戻ることもせず、
ファーストランナーがアウトになる様を
ホームベース上で呆然と見ていたのでした。

ピンチをダブルプレイで切り抜けた守備陣は意気揚々とベンチへ引き上げます。
「いやーよかった。0点で切り抜けたよ、外野手GJ!」

なーんて言ってたら
アレ?スコアボードには「1」の文字が・・・


以上が有名な「空白の1点」のあらすじ。

さて、この1点はいかにして入ったのでしょうか?
以下、解説。

この現象を解決するには、
「リタッチ」についてもう一度知っておく必要があります。

リタッチってゆーのは、
簡単に言うと、
「フライを捕られたら元いた塁に戻る(もう一度ベースに触れる=リタッチ)」というルールで、
言い方を変えれば、
「フライを捕られてから次の塁へ(再)スタートを切る」ということになります。
犠牲フライによるタッチアップもこのルールに則っているわけですね。

上記の状況で言えば、
フライを捕られた時点で、ファースト、サード両ランナーにはリタッチの義務が生じ、
それぞれ1塁、3塁に戻らなければいけません。

戻らないとどうなるでしょう?
もしボールを持った守備側の選手に元々いた塁を踏まれるとアウトになってしまいます。
(ちなみに直接タッチされてもアウト)

実際、ファーストランナーはそのルールの通りアウトになったわけで。

で、こっからがミソなんですけど、

リタッチ違反のアウトはすべて守備側のアピールがあって初めて成立するんですよ。
審判がみずからしゃしゃり出て判定をすることはないんですね。

例えば、タッチアップの状況を考えてみてくださいな。
3塁塁審が「あれ?ランナーのスタートちょっと早くね?」と思ったとしても、
守備側がそれに気づかず(リタッチに問題なしと判断した場合も含む)3塁に投げずにいれば、
サードランナーはアウトになることはなくタッチアップは認められて1点入り、
(塁審の判定という)真実はすべて闇の中・・・


もうおわかりですね。

そう、この「空白の1点」の状況において、
サードランナーはアウトになっておらず、
またリタッチ不履行のアピールプレイもないため、
(プレイヤーから観衆にいたるまで誰もが「リタッチしてない」と思うような状況であっても)
ルール的にはサードランナーのスタートは「問題なし」ということになり、
ファーストランナーがアウトになるよりも早くホームに達していれば
その得点は認められるのです。

※補足
得点か、チェンジ(になり得点無効)か、というのは基本的に早い者勝ちです。
3アウト目を取られるより早くホームを踏めば得点になります。
例外として、まず3アウト目が1塁未到達の打者走者だった場合。
フライでも内野ゴロでも、打者走者が1塁を踏むことなくアウトになった場合は
ランナーが何人ホームを踏んでも0点でチェンジ。
もう1つの例外は3アウト目がフォースアウトの場合。
例えば1死満塁でのスクイズから2-5-4のゲッツーになった場合、
サードランナーがホーム、バッタランナーが1塁を踏んでいても得点は認められないのです。
で、
リタッチのアピールとフォースプレイはともに「タッチが不要」という意味で間違えやすいのですが、
あくまでもリタッチのアピールはアピールプレイでありフォース(進塁義務)ではないので
これが3アウト目であっても、それより早く得点が入っていれば認められるわけです。


さて、この「空白の1点」の状態で、
守備側が犯した最大のミスはなんでしょう?

それは3アウトをとったことで満足し、全員ベンチに帰ってしまったことです。
これによってサードランナーのリタッチに対するアピールをする権利を失ってしまったからです。
(と同時に、ここで初めて得点が確定します)

じゃあ、正しい対応は?

実はファーストで3アウトを取るところまでは間違っていません。
但し、そのあときちんと「3アウト目の置き換え」をしなければいけません。
つまりサードにボールを送り塁審にリタッチ不履行のアピールをしてアウトを宣告してもらい、
これを3アウト目に変更してもらえばいいのです。

※「第3アウトの置き換え」
3アウト後を取ったあとでも、
守備側により有利な結果を生じる別のアウトがある場合、
守備側がこれをアピールして認められれば、
これを第3アウトに置き換えることができる、というルール

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